2000頭から激減
世界自然保護基金(WWF)によると、キタシロサイはアフリカで1960年代に約2000頭が生息していたが、中国などで漢方薬の原料として高値で売れる角を狙った密猟が横行し84年に15頭にまで激減した。保護活動により、93年にほぼ2倍まで回復したが、96年から2003年まで生息国のコンゴで激しい内戦が続き、保護活動は頓挫した。
オルペジェタ自然保護区のリチャード・ヴィーニュ最高経営責任者(CEO)はロイター通信に「人工授精が成功しなければ、キタシロサイは今後、数年間で絶滅に向かう」と語った。
ミナミシロサイも準絶滅危惧種に指定されているほか、アフリカでの生息が推定で5000頭超に回復したとされるクロサイも密猟がなお横行しており、同じ命運をたどりかねない。
サンディエゴ動物園のリーチェス氏はロイター通信にこう訴えた。「世界には約3万頭のサイが生息しているが、8時間に1頭のペースで密猟により殺されている」(SANKEI EXPRESS)