「毛皮のヴィーナス」でSっ気たっぷりの妖艶なワンダを熱演したのが、私生活でロマン・ポランスキー監督の愛妻でもあるエマニュエル・セニエ(48)だ。SANKEI EXPRESSのメール取材に「ずっと前から夫と一緒に仕事できる作品を探していました。夫の薦めで本作の演劇のシナリオを英語で読みました。ブロードウェーで大成功した演劇でした。最初、ワンダを演じることは自分にはとても難しいと思いましたが、役柄の豊かな人間性にひかれ、出演を決断しました」と、映画化の経緯を説明した。
まず、見る者は膨大なせりふの量に圧倒されるだろう。「映画の準備期間中、毎晩、舞台にも出演していました。進行中の舞台のせりふを覚えるのに相当消耗していて、残りの記憶メモリーが本当に足りなくなってしまいました。でも、監督は『絶対に覚えてくれ』と要求します。私は舞台の会場で空き時間を利用して、女性アシスタントに映画のせりふを繰り返し読んでもらい、それを聞いて私も後から繰り返しました。何とか覚えることができました」。セニエはその殺人的な舞台裏を披露した。