だが、高齢化が進んでいるのは人間だけではない。餌が良いのか、環境が良いのか、近年はペットも長生きするようになった。昨年末、私の友人の愛猫が死んだのだが、何と御年21歳。21年間、大事に育ててきた飼い主の愛情のたまものと言えるが、親元を離れ、長年1人暮らしをしてきた友人にとって、21年間連れ添った猫は大事な家族だったろう。病院通いをすることもなく、飼い主が横で寝ていた間に気づいたら逝っていたと聞いた。
別れは悲しいが、その最期に寄り添うことができれば、少しだけ納得できる気がする。3頭の犬を見送った私だが、1頭目のときは幼すぎて記憶にない。親から「元の飼い主が現れたので返した」と聞いた覚えがあるが、今思えば死んだのだろう。なにしろ、家中の食べ物を食べてしまうしつけのされていない犬だった。元の飼い主も困り果てて捨てたのかもしれない。それでも犬の温かさを最初に私に教えてくれた存在。別れは悲しいけれど、あのぬくもりは何者にも代え難いと独居暮らしの今、強く思う。(道丸摩耶/SANKEI EXPRESS)