【アートクルーズ】
現代音楽の巨匠、テリー・ライリー(79)と若手映像作家の寒川裕人(25)のコラボレーション「SUPER VISION」が、Tolot heuristic SHINONOME(東京都江東区東雲)で開かれた。ピアノ、シンセサイザーの旋律と大画面の映像が絡み合い、平和や自然への思いを強く抱かせる美しい世界を織り上げ、入場者を魅了した。
2人のコラボレーションが行われたのは11月22、23日。それぞれ400人を超える入場者が詰めかけた。
会場には正面に4枚、側面に8枚のスクリーン(最大縦4メートル、横8メートル)が設置され、入場者をすっぽり包み囲む。正面ステージにはピアノとシンセサイザーが置かれた。
「鎮魂歌」と戦争の狂気映像
11月23日第1部は「After the War」。ライリーは、祈りのような歌で始めた。歌詞の意味は分からないが、うなり声のような厳かな響きは、戦争で亡くなった人々への鎮魂歌にもお経にも聞こえてくる。
寒川氏の映像は戦争や紛争、軍事に関するものだ。空爆、ミサイル、負傷兵士、ヒトラーらが次々映し出される。