震災知らない外国人の文章
「from the future」の映像は、2011年の東日本大震災で被災した福島県と、カンボジアのプノンペンの風景だ。震災を知らないプノンペン在住の男性(当時28歳)に、福島の被災地の写真を撮りながら、感じたことを文章にしてもらった。それをもとに寒川が福島とプノンペンで映像を撮り、文章を映像に重ねている。寒川は「日本人は震災を過去からしか考えられないが、震災を知らない男性の文章は『未来からの言葉』に思えた」という。
男性の文章には、こんな記述がある。「私は、クメール・ルージュを実際には体験していません。しかし、その影響を受け、移住をしました。ここ(福島)にいると、それを強く思い出します。いつも家の祖母、叔父、叔母、兄、妹そして友人のことが恋しくなると泣いてしまいます。建物は長くそのままですが、人々はいない。ここで感じる物語は、私の人生に酷似しています」
男性は震災を、政治犯が処刑され、家族が引き裂かれて難民化した歴史上の悲劇クメール・ルージュにたとえた。映像には、その爪痕の風景も登場する。