「人工知能は危険」との認識を示したマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏=2015年1月27日、ドイツ・首都ベルリン(AP)【拡大】
ところが、これに瞬時に噛み付いたのが米ソフトウエア大手であるMSを創業したゲイツ氏。翌1月29日付の英紙デーリー・メール(電子版)などによると、ゲイツ氏は28日に米で開かれたインターネット系のイベントで、古巣の技術部門のメンバー約1000人を束ねるホロビッツ氏の発言がネットにあがってからわずか1時間後に「私もAIに懸念を抱く側にいる一人だ」と真っ向から反論。「当面、機械はわれわれのために多くのことをしてくれるはずで、超知的にはならず、うまく管理できている場合はプラスに評価できるが、数十年後には知能が強力になり、懸念をもたらす」とAIの潜在的な危険性を指摘した。
英の有名な発明家、クライブ・シンクレア氏(74)もBBCに「人を凌駕(りょうが)する知性を持つ機械と競争し、人類が生き残るのは困難だ」と述べている。
自社を強くアピール
一連の専門家の発言をみると、米人工知能学会の重鎮とはいえ、ホロビッツ氏の主張の旗色は悪い。欧米メディアは、MSRを率いるホロビッツ氏がAI擁護論を展開する背景について、MSが昨年4月、AIを使ったスマートフォン向けの音声会話対応アシスタント機能「コルタナ」を発表し、この分野で先行する米アップルやグーグルに追い付いたことが理由だと分析している。