友好が脅かす社会的地位
1月28日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル(アジア版)は「台湾における一連のスパイ騒動は、台湾が中国との交流を深める中で縮小された軍隊のモラル低下をさらけだした」と報じた。
台湾の政府予算全体に占める防衛費の割合は近年減少傾向が続いており、2008年の17.5%から今年は15.9%まで減少。総兵力も現在の約20万人から19年までに17万~19万に削減する方針が示されている。
ウォールストリート・ジャーナルの記事において、ある退役陸軍大佐は軍人の多くが目的意識を見失っていると指摘。「今や中国と台湾はお互いを明確な敵とは見なしておらず、兵士への敬意がなくなってきている」と嘆いた。
ウォールストリート・ジャーナルは「歴史的に敵同士だった中台の経済接近により、中国のスパイにとって台湾の軍高官はより容易なターゲットになっている」との軍事アナリストの見方も紹介した。“仮想敵”であった中国との友好が「軍隊の社会的地位に混乱をもたらしている」というのだ。こうしたスパイ事件が繰り返されれば、米国が台湾に高度な軍事技術を供与することに躊躇(ちゅうちょ)する可能性があることも指摘している。(国際アナリスト EX/SANKEI EXPRESS)