子供の頃から人より目立つことが大好きだったという秋元才加(さやか、26)は、芸能界に入るや歌手、女優、司会者、タレント…と水を得た魚のように活躍の場を次々と広げていった。一昨年、人気アイドルグループ「AKB48」を卒業してからは、女優業を芸能活動の大きな柱に据え、舞台や映画で演技力を磨いてきた。「目立つこと以外で言えば、本の登場人物になりきって音読することも大好きでした。かじり付いて映画を見ていたという口ではないのですが、自分と違う誰かになりきって何かをするということが楽しいんです」
そんな秋元の2本目の主演映画「マンゴーと赤い車椅子」は、不慮の事故で歩けなくなった女性が「生きるとは何か」と真正面から問い続ける姿を描いたヒューマンドラマ。脚本も執筆した仲倉重郎(なかくら・しげお)監督(73)が自身の車いす体験を織り込んだオリジナル作品だ。
都内の内科病院で看護師をしていた彩夏(秋元)は23歳の誕生日、4階の自室から転落し、脊髄損傷で車いす生活になることを余儀なくされた。入院後は自暴自棄となり、無為に日々を送るだけだったが、車いすのミュージシャン、翔太(NAOTO)らに出会い、少しずつ笑顔を取り戻していくのだが…。