監督第2作「はじまりのうた」を手がけたアイルランドのジョン・カーニーがSANKEI EXPRESSのメールインタビューに応じ、舞台を前作のダブリンから米ニューヨークに移した理由について、「これは音楽業界の物語だから、業界の中心地であるニューヨークにすべきだと考えました。音楽業界を目指す人ならば、ダブリンの小さな街を後にして、きっとニューヨークに向かうでしょう。もし映画業界の物語にするならば、僕はロサンゼルスを舞台に選んだかもしれません」と説明した。
カーニー監督といえば、低予算を物ともせず、面白さが口コミでジワジワと世界に拡散していく映画を撮る人物-とのイメージが強い。当の本人は「2作品とも委員会の形で作られていません。登場人物にはすべてモデルがいて、僕にとってはとても個人的な映画なんです。誰か周囲の声を反映しなければならない作品でもない。もしかしたら、そんな作り方がもたらすパーソナルな響きが、観客個人にとっても個人的な体験のように受け止められ、少しずつ広がりをみせていくのかもしれません」と分析してみせた。