しかし、日本側の願いやメッセージとは関係なく、中国の習近平指導部は日本と対峙(たいじ)する姿勢を崩していない。中国の共産党関係者は「反日は中国国内の都合によるもので、簡単にやめられない」と指摘したうえで、「日本を叩くことによって習政権は自らの求心力を高めると同時に、国内問題への関心を外に向けさせようとしている」と指摘した。
2012年秋に発足した中国の習政権は、日本と対決する姿勢を続けてきたが、国民に飽きられないように毎年“反日カード”を変えているのが特徴だ。13年は尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化を問題視し、日本政府に譲歩を迫った。14年は戦時中に「強制連行」されたとする中国人元労働者の賠償訴訟や南京事件を大きく宣伝し、中国が被害者であることを強調した。
そして今年は戦後70年であり、中国が反ファシスト戦争の主役として勝利に大きく貢献したことを国内外にアピールし、国威発揚につなげようとしているようだ。