【金賞】
■丸和繊維工業株式会社 INDUSTYLE TOKYO
体の動きに合わせてフレキシブルに伸縮するシャツがあったら、どんなにか楽なことだろう…そんな究極の着心地を実現したのが、INDUSTYLE TOKYOブランドのドレスシャツ。体に吸いつくような独特の快適感は、他の製品では決して味わえないものだ。伊藤哲朗常務は「生地にニットを用い、さらに動体裁断と呼ばれる革新的な技術を採用したことで実現できました」と説明する。
ワイシャツなどのドレスシャツには、縦糸と横糸で織った生地(織地)を用いるのが常識とされてきた。これに対し、糸をループ状に編んだニット(編地)は、伸縮性に優れる半面で、アパレル製品に仕立てるのに熟練職人の手作業に依存する部分が多い。このため国内生産はコスト的に見合わず、今や日本国内で販売されるニット製品の国産比率は3%程度にまで落ち込んだのが現状。
それに危機感を強めたのが、ニット製品のOEM(相手先ブランドによる生産)供給を基幹事業としてきた同社。深澤隆夫社長は「このままではニット製品の縫製技術が日本から消え去ってしまう。この火を消してはならないと思いました」と熱い思いを語る。