実際、主演のディーゼル(47)は“永遠の兄弟”であるウォーカーの急逝を踏まえ、「作品は感情に訴える内容と言えるだろう。作品を見ると、時々大きな感情が襲ってくる。深い意味での感情だ。観客はそんな情緒の揺さぶりを得るために、映画を見に行くようなものかもしれない。(撮影などを含め)20年近く続いた映画の一部になった気持ちになるはずだ」と、作品への思いを語っている。
涙でティッシュ3箱分
ウォーカーの死で撮影は中断を余儀なくされ、再開後は彼の兄弟を代役に充てる異例の経過をたどった。ディーゼルは撮影再開の初日、ショウが運転する車に、自分が運転する車で突っ込むシーンに挑んだ。 「ドミニクの心理は怒りに満ちていて危険な状況だった。でも、僕は車の座席に座った途端、確か3箱分のティッシュを使った。とにかく涙を止めることができなかったんだ。事故から5カ月もたっていたのに…。僕は7歳から俳優業をやってきたし、父は演劇の先生だ。映画芸術に対して、僕はある程度、自分の気持ちをコントロールする能力を持ち合わせていると思っていたけれど、悲しみから抜け出せなかった。皆の前でそんな姿をみせるなんて恥ずかしいと思ったほどだよ」