訪米中の安倍晋三(しんぞう)首相は4月28日、首都ワシントンのホワイトハウスで開かれた公式夕食会で、冗談を交えたスピーチで、昭恵夫人(右)、バラク・オバマ米大統領(中央)らの笑いを誘った=2015年(ロイター)【拡大】
≪祖父、岸信介元首相の言葉引く≫
安倍晋三首相の今回の訪米の「キーワード」は、祖父、岸信介(のぶすけ)元首相だった。
安倍首相は米上下両院合同会議での演説冒頭、58年前に同じく米下院で演説した岸元首相の言葉を引きこう述べる。
「日本が、世界の自由主義国と提携しているのも、民主主義の原則と理想を確信しているからです」
一方、その安倍首相を歓待したオバマ米大統領も、首相と岸元首相を何度も重ね合わせた。
「1957年、晋三氏の祖父、岸首相は米議会で演説をした。岸氏は『日米新時代』のドアを開けた。明日、孫の安倍首相がそのパートナーシップをさらに一歩前に進める。関係を強化する新しい石を刻む」
オバマ氏は28日夜(日本時間29日午前)、安倍首相を招いたホワイトハウスでの公式夕食会でこうたたえ、首相の地元、山口県の地酒で乾杯した。2年前の2月訪米時の昼食会では、オバマ氏の手元にある飲み物はミネラルウオーターだけだった。両首脳の距離がいかに近づいたかが分かる。