真野に「実生活でも親分肌」と慕われる筧のリーダーぶりが見ものだ。「まずは、目の前にいるスタッフたちが『筧は後藤田隊長そのものだ』と思ってくれないと、きっとお客さんもそう思ってくれないだろうと考えたので、僕は冗談を飛ばしながら、いろいろと演技を試しましたね」。筧は役作りと同時に、いい作品を撮らねば…と張り詰めた空気が漂う撮影現場を和ませようと、潤滑油としての役割を買って出たのだ。
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この映画に先立つ短編シリーズの撮影では、若手の監督と積極的に演技の是非について話し合いを重ねたそうで、「彼らも年上の僕に踏み込んでこれない部分もあると思いましたからね。僕はいっぱいしゃべりました。総監督を務めた押井さんは大御所だから、もちろん別の話ですよ」。適当そうに見えて仲間思い、キレ者で、心理戦にかけては天才的な力を発揮する後藤田とどこかオーバーラップする。ちなみに筧のリーダー論は「リーダーになったからといって、周囲のことをあまり考え過ぎないということでしょうね。自分のことだけ考えて、しっかり仕事をやる-という考えが一番ではないでしょうか」というものだ。