リードパンチを応酬し合うフロイド・メイウェザー(左)とマニー・パッキャオ。「世紀の対決」は片時も目が離せない濃密な内容だった=2015年5月2日、米ネバダ州ラスベガス(AP)【拡大】
スポーツマンの素顔も
メイウェザーは、この日もヒールとしての自らの役どころを受け入れ、観客には悪態をつくなどしたが、敗者のパッキャオには最大限の敬意を払い、スポーツマンとしての素顔ものぞかせた。試合終了直後も、記者会見場でも、自らパッキャオに歩み寄り、肩を抱いた。そして、「彼はすごいファイターだった。なぜ頂点を極めたボクサーなのかが実際に戦ってみてよく分かった。厳しい相手だった」とパッキャオをたたえた。
その言動はヒールのイメージとはかけ離れたものであり、「人間メイウェザー」の真の強さを見た思いだったファンも多いに違いない。
プロデビューからの連勝記録を「48」に伸ばし、無敗のまま引退した元世界ヘビー級王者、ロッキー・マルシアノ(1923~69年)の持つ連勝記録にあと1つと迫った。だが、メイウェザーは試合後の会見で9月に予定する試合限りでの引退の可能性を示唆。「9月が自分にとってラストファイトになる。その試合をやって終わりにする」と語り、「自分の成績は49戦無敗で十分であり、50勝の大台にこだわりはない」と明言した。
本当にあと1試合でリングを去るのか。希代のヒールから今後も目が離せない。(SANKEI EXPRESS)