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はかなさや無情さ染みる舞台に 舞台「夜想曲集」 東出昌大さんインタビュー (1/3ページ)

2015.5.11 13:30

俳優が天職かどうかは「分からない。でも真摯(しんし)に仕事をしていきたい」と話す東出昌大(ひがしで・まさひろ)さん=2015年4月16日、東京都世田谷区(宮川浩和撮影)

俳優が天職かどうかは「分からない。でも真摯(しんし)に仕事をしていきたい」と話す東出昌大(ひがしで・まさひろ)さん=2015年4月16日、東京都世田谷区(宮川浩和撮影)【拡大】

 英作家カズオ・イシグロの短編集「夜想曲集」が舞台化され、俳優の東出昌大(ひがしで・まさひろ、27)が初舞台を踏む。旧共産圏出身のチェリストを演じ、周囲の人々の人生と音楽が交錯する様子を描く物語。人生の夕暮れに直面し、次の段階に「踏み出すか踏み出さないか」で揺れる姿が詩的に語られていき、「繊細で、はかなさや無情さが後から『ぱーっ』と染みて広がる」と、丁寧に演じようとしている。

 現状から踏み出すか否か

 「夜想曲集」は2009年に発表された5編の短編集で、今回はうち「老歌手」「夜想曲」「チェリスト」の3編を1つの物語に再構成した。東出が演じる東欧出身のヤンが奏でるチェロを軸に、さまざまな事情や秘密を抱えた人々に起きる出来事を、ベネチアやビバリーヒルズなどを舞台に描く。脚本・長田育恵、演出・小川絵梨子。

 登場するのは往年の名歌手トニー(中嶋しゅう)と妻のリンディ(安田成美)、売れないサックス奏者(近藤芳正)、高名な米音楽家(渚あき)ら。競争の激しい米国の消費社会を背景に、傷みを伴う決断をする人物も登場する。作品のテーマは現状から「踏み出すか、踏み出さないか」だと演出の小川は言う。

「いきなり客席700人以上の大ホールで、こんな繊細な芝居をやるなんて」

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