第一声で結束訴え
「党が割れるようなことは絶対にないと約束してもらいたい」
松野氏は19日の両院議員総会でこう訴えた。新代表がいきなり結束を呼び掛けたのは、逆に言えば、現在の維新が分裂の可能性を秘めていることを示している。
満場一致の選出とはいえ、松野氏には注文もついた。大阪選出の議員は総会で、都構想否決で橋下最高顧問(大阪市長)と江田前代表が「引責」する中、幹事長の松野氏が代表に「昇格」することに「地元では疑問の声もある」とぶつけた。
維新は議員51人のうち、民主系、大阪系、結い系がそれぞれ12人、自民党などその他の出身が15人と、4つの勢力が同規模で存在する。これまでは橋下氏の意向を受けた大阪系の存在感が大きかった。だが、都構想否決の衝撃は大きく、「しばらくおとなしくしておいた方がいい」(党幹部)との声が大勢だ。
一方、大阪系議員には、リベラル色が強い民主系や結い系への警戒感も渦巻く。ある大阪系議員は「維新精神を失った党運営は許されない」とし、野党再編優先で憲法改正や集団的自衛権の行使容認といった「本来の維新らしさ」を保つよう求める。