すでにベルリン、カンヌ、ベネチアの世界三大映画祭で主演女優賞をすべて手にしているジュリアン・ムーア(54)。このほど、その輝かしい栄冠のリストに、米アカデミー賞主演女優賞も加えられることとなった。作品はウォッシュ・ウェストモアランド(49)、リチャード・グラッツァー(1952~2015年)が監督を務めた「アリスのままで」。人生の円熟期を迎えた聡明な女性学者が突然若年性アルツハイマー症を患い、少しずつ記憶を失っていく様子を、リアルに、しかし静かに寄り添うような繊細なタッチでつづっている。
SANKEI EXPRESSのメール取材に応じたウェストモアランド監督は「若年性アルツハイマー症にどう対処すべきかを鑑みて、主人公アリスは患者とその家族に大きな勇気を与える見本となったと信じています。アリスは持てる全身の力をすべて注いで、病の進行をコントロールし、本来の自分自身であるよう維持もして、病と自分とのバランスを取っていました。もし私の身に同じことが起きた場合、せめてアリスが放出した力の半分だけで同じ対処ができるよう願うだけです」と強調した。