大勢が振りかざすスペイン国旗。米国のスペイン語人口は、本国を抜き世界2位に。35年後には世界一が確実視されている=2010年7月11日、スペイン・カタルーニャ自治州バルセロナ(AP)【拡大】
トランプ氏「暴言」再び
こうした世界的な状況の中、トランプ氏は6月16日の予備選出馬表明演説で「メキシコ人は米に麻薬や犯罪を持ち込み、レイプ魔でもある」などと“暴言”を吐き、中南米系住民向けのスペイン語放送局が、トランプ氏が事実上主催するミスコンテストの放送中止を決定。NBCテレビも絶縁を宣言するなど、大きな非難が巻き起こった。
しかし、トランプ氏は全く懲りず、今度は攻撃の矛先を共和党候補予備選に立候補したジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)のメキシコ人妻、コルンバさん(61)に向けた。
トランプ氏は4日、ツイッターで「ジェブ・ブッシュは妻がメキシコ人なんだから、メキシコからの不法移民を好きになるべきだ」との第三者の投稿をリツイート。これが非難を浴びると6日、急遽(きゅうきょ)このリツイートを削除し、再び全米をあきれさせた。
このリツイート事件を受け、ブッシュ氏は5日、ニューハンプシャー州で記者団に「私は彼が共和党を代表する存在だとは思わないし、彼の見解は大多数の共和党員の中心的な考えから外れている」と非難した。
大統領を目指すのであれば、トランプ氏はまず、“暴言”で注目を集めるのではなく、米国内のリアルな現状を学ぶことが先決だろう。(SANKEI EXPRESS)