昨年7月13日、ギリシャを訪問した中国の習近平国家主席。この3週間前には李克強首相もギリシャを訪れ、貿易・投資協定を締結して両国関係を強化した=2014年、ギリシャ・ロードス島(新華社=共同)【拡大】
港湾だけではない。「首都アテネ空港やギリシャ軍が保有する軍艦も中国が手に入れるチャンス」と主張する中国メディアまで現れた。アテネ空港にはドイツ企業が40%出資する形で支援しているが、中国も30%程度を出資する方向でギリシャ政府との交渉に入ったという。資本投入を通じて空港運営権の一部を獲得したい狙いがあるようだ。
さらに注目すべきは、ギリシャ軍が保有する「揚陸艦」と呼ばれる艦艇4隻を中国が買収するとの案があることだ。ロシア製の「ポルモニク型」とよばれるホーバークラフトのような全長57メートルほどの艦艇で、戦車3両と将兵31人を載せて離島などの上陸作戦が可能という。中国が日本を含む周辺国と軋轢(あつれき)を生んでいる東シナ海や南シナ海、中国が統一工作をもくろむ台湾への展開も考えられそうだ。