男子マラソンで優勝したギルメイ・ゲブレスラシエ。国旗を手に笑顔でウイニングランした=2015年8月22日、中国・首都北京市(大橋純人撮影)【拡大】
競技場の入り口で、関係者から国旗を受け取った。ゲブレスラシエは母国の誇りを握りしめ、フィニッシュラインを駆け抜けた。
ゴールテープが張られておらず、最初は42.195キロの終着点が分からなかった。周囲から教えられ、長旅が終わったことを知ると笑顔が広がった。「すごい幸せ。何と言っていいか」。マラソン3戦目の19歳が、エリトリアに初の金メダルをもたらした。35キロすぎでトップに立つと、追い上げてきたツェガエ(エチオピア)との競り合いを力強く制した。
身長170センチの走力を磨いたのはエリトリアの環境だ。首都・アスマラは標高2300メートル以上にあり、紅海に面した沿岸部の夏は気温が40度を超える。サポートする東京大学の宮沢保夫研究員によると、ゲブレスラシエは、この高所と高温のエリアをうまく使い分けて練習効果を上げているという。エリトリア陸連会長は、「レースも練習も自分で組み立てられる」と、真面目さと頭のキレも強みだと評価した。
一躍、世界に名を売ったランナーは「次はリオ五輪で歴史を作りたい」と先を見据えた。来年だけでなく2020年も楽しみな新鋭が出てきた。(宝田将志/SANKEI EXPRESS)