追加の財政出動必要
今回、世界の金融市場が動揺した背景には中国経済の失速リスクへの警戒感と米国の利上げ観測がある。株安連鎖の震源地となった中国経済は悪化の度合いが明らかでないなど、引き続き投資家の先行き不安が根強い。25日に打ち出された追加緩和だけでは中国経済の本格的な押し上げには力不足との見方が少なくなく、成長鈍化の傾向が続く公算が大きい。
三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「日本株が落ち着きを取り戻すには、中国経済の不確実性が解消に向かうことが必要だ」と指摘。「当局によるさらなる追加緩和や財政出動といった一段の景気対策を通じ、経済指標で景気の持ち直しが確認されれば市場心理の改善につながる」と述べ、追加対策の必要性を強調する。