9日の日経平均株価の終値は前日比1343円高、乱高下が続く=2015年9月9日、東京都内(長尾みなみ撮影)【拡大】
前日の8日、平均株価の終値は昨年末の終値を下回り、年明け以降の上昇分が失われた。これに対し中国・上海市場は5営業日ぶりに反発し、欧州市場や米国市場も上昇、「東京市場だけが出遅れた」(三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト)という状況になった。世界的に株価が戻りを試す中で9日は自律反発狙いや値頃感に着目した買い戻しが急速に広がった形だ。
ただ、世界的な株安連鎖で震源地となった中国経済はなお先行き不透明だ。
8日に発表された8月の貿易統計は輸出額・輸入額ともに落ち込むなど、経済の減速傾向が一層鮮明になっている。中国財政省は8日、財政政策の強化に向けた声明を発表。これが一つのきっかけとなり投資家のリスク回避姿勢が大きく後退したが、実体経済の改善が経済指標で確認されるには一定の時間がかかる。みずほ証券の吉川健治シニアエコノミストは「景気の先行き不安の払拭や、株式市場、人民元相場といった金融市場の安定化が、中国政府にとっての当面の課題となる」と指摘する。
米国の利上げをめぐっては、今月16~17日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切るとの観測は後退したものの、米国経済は堅調で9月利上げの線が消えたわけでない。三井住友アセットマネジメントの市川氏は「(今回の急反発は)一時的な戻りの可能性もあり、まだ警戒が必要だ」と話している。(SANKEI EXPRESS)