参院平和安全法制特別委員会で可決された安保法案。鴻池祥肇(こうのいけ・よしただ)委員長に詰め寄る野党議員ら=2015年9月17日午後、国会・参院第1委員会室(斎藤良雄撮影)【拡大】
議長の声も届かず
参院平和安全法制特別委員会で安全保障関連法案が可決された17日、委員会室では与野党議員が入り乱れ、攻防が激化した。鴻池委員長の不信任動議が否決された直後の採決強行。「恥を知れ」。野党議員の怒号が響く中、与党席からはまばらな拍手が起こった。
午後1時に再開した特別委で野党提出の不信任動議を審議。賛成する民主党の福山哲郎参院議員が「民主主義では数だけで決めるものではないはずだ」と訴えると、野党席から「そうだ」などと声が上がった。
午後4時半前に不信任動議が否決され、鴻池委員長に続き、緊張した面持ちの安倍首相も入室した。鴻池委員長が着席したのを見計らって机上のマイクをめがけて多数の与野党議員が一斉に駆け寄る。「何をやっているんだ」「暴力はよせ」。一部では議員同士がつかみ合う場面も。
もみくちゃとなった鴻池委員長。怒号が飛び交う集団の中心で身動きが取れず、賛成の起立を求める声も届かない。脇に陣取る自民党の佐藤与党筆頭理事が合図を送ると、与党議員が起立、法案が可決された。
安倍首相は混乱を避けるように採決前に退室。戸惑いの表情を浮かべる与党議員の拍手は、「ふざけるな」「認めない」との野党議員の叫び声にかき消された。(SANKEI EXPRESS)