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【野口裕之の軍事情勢】中国というフランケンシュタインを造ったニクソン&ヴォルデモートの魔力を授けたオバマ…米大統領の対中大錯誤 (4/5ページ)

2015.11.2 06:00

1972年2月28日、電撃的に中国を訪問し、当時の周恩来首相(左)と会食するリチャード・ニクソン米大統領。ニクソン氏以降8代にわたり、歴代米大統領たちは中国の怪物化に手を貸してきた=中国・上海市(AP)

1972年2月28日、電撃的に中国を訪問し、当時の周恩来首相(左)と会食するリチャード・ニクソン米大統領。ニクソン氏以降8代にわたり、歴代米大統領たちは中国の怪物化に手を貸してきた=中国・上海市(AP)【拡大】

 《具体的には、建国100周年の2049年を目標に経済・政治・軍事面で米国を完全に追い越し、中華秩序・覇権を確立する戦略を隠していた》

 だが、100年戦略を隠す段階は終わった。東/南シナ海で堂々と国際法を無視し海洋侵略に狂奔、サイバー空間でも大量情+報窃取など、やりたい放題だ。

 災いする国家的悪癖

 オバマ政権はようやく10月末、中国が南シナ海で建設する人工島の22キロ以内にイージス艦を進入させ、主権を認めぬ示威行動に出た。ピルズベリー氏も《中国に対するバラ色の期待は、ほぼことごとく裏切られた。米国史上最も組織的&重大&危険な失敗戦略》と明言。中国寄りのシンクタンクや専門家も関与政策の限界・破綻→転換を、本年に入り目立って論じ出した。が、米国が中国を観る眼鏡を曇らせるのは大戦前からの国家的欠陥で、米国の中国びいきも災いし、日本が米国と戦わざるを得なかった歴史は刻まれてよい。米国は大日本帝國やソ連の崩壊は画策しても、対中コンプレックスを止められない。この悪癖の克服なしに、ピルズベリー氏の対中警鐘論が米国全体の主流に成り得るのか、小欄はいまだ懐疑的だ。

日本とドイツを念頭にぶった《隔離演説》

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