《フランスで本格的な料理の修業を積んだ後、1994年、25歳のアクリオは妻と2人でペルーにレストラン「アストリッド&ガストン」をオープン、信念の実現に向けた本格的な歩みを始める》
報道陣のメール取材に応じたペレズ監督は「私が2年間かけて追いかけたのは、アクリオの夢、哲学、インスピレーションなのです。ただ、この映画は単なる料理人の物語ではありません。『食』の力で変革を成し遂げた、ひとつの国の物語でもあります」と強調してみせた。
歴史、文化 凝縮された物語
アクリオに密着したペレス監督は、程なく、彼が紡ぎ出すペルー料理に壮大な意味が込められていることを感じ取る。「彼のインスピレーション、彼が使うあらゆる食材、レシピの背景には、ペルーの歴史、文化、生産者たちの物語がぎっしりと凝縮されているのです。これらの物語こそが、『ペルービアン』と呼ばれるペルー料理、ペルーの食文化に起きた一大革命の核となるものでした」