11月19日、首都パリのアンバリッド(廃兵院)での閲兵式に出席したフランソワ・オランド仏大統領。同時多発テロ発生を受け、「戦争状態」を宣言したオランド氏だが、テロの“進化速度”に民主主義国家の諜報機関と法律がついていくのは容易ではない=2015年、フランス(ロイター)【拡大】
とはいえ、仏内務大臣直轄の防諜組織・国内治安総局(DGSI)員三千数百人に比し、監視対象はインターネット普及も手伝い3000~5000人と急増。ところが、通信傍受など対象者1人の終日監視には20人前後が必要だ。刑事ドラマとは違い、24時間長期継続尾行・監視する場合は、顔を知られていない係官をかき集めウン百人単位のプロが要る。人員不足は明らかだ。従って、対象者が一定期間犯罪や不穏な動きをせぬ限り優先順位を下げ、諜報機関は「ベタ張り」数を絞る。
あまりに厳しい証拠基準
人手不足に加え、民主主義国家は限界を抱える。
2012年、仏軍将兵3人+ユダヤ系学校教師と逃げる児童3人の頭部に至近距離で発砲し惨殺したアルジェリア系仏人モハメド・メラ(当時23歳)も09年よりDGSIの前身・内務省国家警察管轄の国内中央情報局(DCRI)の監視対象だった。10年末~11年までパキスタンやアフガンに渡り、戦闘訓練を施された。帰国の度、DCRIは危険度をつり上げた。