1974年12月、「中年ご三家」を結成し、コンサートを行った永六輔(えい・ろくすけ)さん(右)、小沢昭一(しょういち)さん(左)と野坂昭如(のさか・あきゆき)さん=東京都千代田区の日本武道館(共同)【拡大】
小説「火垂(ほた)るの墓」などで直木賞を受賞し、タレントとしても活躍した作家の野坂昭如(のさか・あきゆき)さんが9日午後10時37分ごろ、心不全のため死去した。85歳。近親者で密葬を行う。葬儀・告別式は19日午前11時、東京都港区南青山2の33の20、青山葬儀所で。喪主は妻、暘子(ようこ)さん。
神奈川県生まれ。早大文学部中退。コント作家、CMソング作詞家などで活躍し、1963年に「おもちゃのチャチャチャ」がレコード大賞童謡賞を受賞した。同じ年、小説「エロ事師たち」で作家デビュー。68年には、終戦直後に栄養失調で亡くなった義妹をモデルに描いた「火垂るの墓」と米軍による占領を題材にした「アメリカひじき」で直木賞を受賞。「火垂るの墓」は88年にアニメ化され、話題を集めた。
「焼け跡闇市派」を名乗り、戦後文学の異色作家として多方面で活動。雑誌「面白半分」の編集長時代には、掲載した「四畳半襖(ふすま)の下張(したばり)」がわいせつ文書として摘発され、80年に罰金刑が確定した。83年には参院選で当選。しかし、金権政治を批判して辞職し、同じ年の衆院選で田中角栄元首相の新潟3区(当時)から出馬したが落選した。2003年に脳梗塞で倒れ、闘病を続けていた。