音楽葬で最後の別れ
さらに「戦争をしてはならない。巻き込まれてはならない。戦争は何も残さず、悲しみだけが残るんだ」という、野坂さんが大切にした言葉を引いて「『火垂るの墓』は世界で読まれています。日本の大事な一冊になってほしい」と願った。
遺影に納まった40代の野坂さんはサングラスをかけ、くつろいでいるが、どこか斜に構えた表情。祭壇はユリなどの白い花で飾られた。
作曲家の小林亜星(あせい)さん(83)、女優の小山明子さん(80)、作家の佐藤愛子さん(92)らも参列。小林さんは「『ひねくれ男』のように見えましたが、男らしくて僕は好きだった」と話した。
会場には、野坂さんのダンディーな歌声が流れたほか、バイオリニストの佐藤陽子さん(66)も演奏するなど、音楽葬として営まれた。(SANKEI EXPRESS)