今年のフランス映画祭で団長も務めたエマニュエル・ドゥヴォスさん=2015年6月27日、東京都千代田区(荻窪佳撮影)【拡大】
フランスが誇る名女優である。50代となっても映画の主演オファーは引きも切らず、当の本人にも、トップスターの地位にあぐらをかいて安穏に暮らしていこうなどという考えは毛頭ない。精力的に仕事をこなしていくエマニュエル・ドゥヴォス(51)は、いま、全盛期と円熟期を同時に迎えていると言っても過言ではないだろう。
新作「ヴィオレット~」
「『この企画が好きだな』『映画になったら見てみたいな』と直感したら、企画に耳を傾け、なるべく出演するようにしています。今までに経験した役柄や企画は受けたくないし、繰り返さないようにしています」。SANKEI EXPRESSのインタビューに応じたドゥヴォスは慎重に言葉を選びながら、なおも開拓すべき新たな分野を求め続ける自らの女優としての心構えを語った。
そんなドゥヴォスが次の主演作に選んだのは、フランスのマルタン・プロヴォ監督(58)が彼女へのあて書きで共同脚本を執筆した伝記作品「ヴィオレット ある作家の肖像」(東京・岩波ホールで公開中)だ。1940年代のパリを舞台に文学界に衝撃を与えた実在の女性作家、ヴィオレット・ルデュック(1907~72年)の半生が描かれている。