寝台特急「トワイライトエクスプレス」来春廃止 老朽化が原因

 
平成27年春に姿を消すことになったトワイライトエクスプレス

 大阪と札幌を結ぶ国内最長距離列車で、「走る豪華ホテル」とも呼ばれる人気寝台特急「トワイライトエクスプレス」が平成27年春に引退することになった。JR西日本が28日、明らかにした。客車の老朽化が原因という。今や“絶滅危惧種”となりつつある夜行列車が、また一つ姿を消す。

 トワイライトエクスプレスは週4往復の臨時列車で、大阪-札幌間1495・7キロを約22時間かけて走る。

 平成元年7月、寝台特急といえば「ブルートレイン」という概念を覆し、深緑に黄色の帯をまとった独自の塗色でデビュー。JR西と東日本、北海道各社が共同運行している。

 シャワールームやソファを備えたスイートルームのほか、沿線の食材を使ったフランス料理を楽しめる食堂車や日本海の景色を眺められる展望サロンカーを連結。片道1人2万6350~4万6090円と高めの値段設定ながら、優雅な時間を過ごせる豪華寝台列車として人気を集めていた。

 ただ、客車は国鉄時代の車両を改造した24系25形で、製造から40年以上が経過した車両があるなど老朽化が進行。北海道新幹線が運行する青函トンネルで、平成28年春の開業に向けた改修工事が始まると、そのままでは走行できなくなる事情もあるため、トワイライトエクスプレスの「去就」が注目されていた。