【写真で見るロールス・ロイス】(1)自らハンドルを握るための2ドアクーペ「レイス」
イギリスの超高級自動車メーカー、ロールス・ロイスの注目車種を3回にわたって紹介するフォト企画の第1弾は、リヤエンドに向かって流麗なラインを描くファストバックデザインが特徴の2ドアクーペ「Wraith(レイス)」だ。2.4トンの大柄なボディに6.6リッターV12ターボエンジンを搭載。0-100キロ加速は驚愕の4.6秒を誇るという、ラインアップの中でもっともパワフルなモデルである。(文・写真 大竹信生/SankeiBiz)
レイスの意味
ロールス・ロイスにはファントムやゴーストなど「幽霊」を意味する車名が多い。レイスも例外ではなく、スコットランド語で「生霊」「亡霊」などの意味を持つそうだ。
外観はダイナミックかつエレガント。垂直に立てた大型グリルと、ボンネットの先端で両腕を広げるロールス・ロイスのマスコット「スピリット・オブ・エクスタシー」が圧倒的な存在感を演出し、ルーフトップからリヤにかけてなだらかに落ちるボディラインが優美なシルエットを描く。
理に適ったコーチドア
ドアの前方から開くコーチドア(観音開き)はスムーズな乗降を可能にする。人はクルマに乗るときにまずヒップをシートに預け、その着座位置を軸に回転して両足を体の前に収めるのが自然な流れだ。同様に、降りるときもヒップポイントを中心に回転する。ヒンジが後ろにあるコーチドアなら、降車時に車外へ投げ出した足がドアにぶつかることもない。人間工学的に理に適っているだけでなく、VIPがクルマから降りる際にエレガントに見えるといった演出上のメリットもある。
車内空間に広がる星空
インテリアはグランツーリスモの4座を配置しており、後席でもゆったりと体を預けることができる。煌びやかなインパネ周りやキャビンを貫くセンターコンソール、乗員を囲むウッドパネルまで、細部にわたって職人の手作業による最高のクラフツマンシップを堪能することが可能。天井には1600個の光ファイバーライトをレザーに織り込んで夜空を再現した「スターライト・ヘッドライナー」(オプション)が広がる。何とオーナーが選んだ星座を描くこともできるそうだ。
自ら運転する喜び
この贅を尽くした大空間を動かす6.6リッターの大排気量エンジンは、624馬力を生み出す。これは、ロールス・ロイス史上もっともパワフルなユニットである。最大トルクを800Nmから870Nmに引き上げた特別車「ブラック・バッジ」モデルなら、停止状態からわずか4.5秒で時速100キロに到達。「ロールス・ロイスはショーファーに運転してもらうクルマ(ショーファードリブン)」といったイメージが強いかもしれないが、レイスは自らハンドルを握る喜びを味わえるハイパフォーマンスカーなのだ。
(2)贅沢な室内空間が魅力の高級サルーン「ゴースト」 を読む
■ロールス・ロイス レイス(ブラック・バッジ)
全長×全幅×全高:5285×1947×1507ミリ
ホイールベース:3112ミリ
車両重量:2430キロ
エンジン:ターボチャージャー付きV型12気筒
総排気量:6.6リットル
最高出力:465kW(624ps)/5600rpm
最大トルク:870Nm/1700~4500rpm
トランスミッション:8速AT
タイヤ:(前)255/40R21(後)285/35R21
駆動方式:後輪駆動
トランク容量:470リットル
定員:4名
最高速度:250キロ/h(リミッター制御)
車両本体価格:4099万円
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