「小さい頃から日本中が注目する中、ここまでよく頑張ってきた」。シドニーと北京で五輪代表監督を務めた近藤欽司さん(73)は、福原の成長をすぐそばで見続けてきた一人だ。
「努力の天才」。近藤さんは福原をこう表現する。「なにごとも突き詰めてやるタイプで、納得いくまで自らを追い込んで練習してきた」という。一方で周囲に対しては「常に気を配る」と話す。チームメートやスタッフの誕生日には、サプライズを企画した。
福原が日本代表の主将に選ばれた際、元日本代表主将の藤井寛子さん(33)に相談を持ちかけたことがあった。
「主将になって何をすればいいのか分からない」。そのとき、藤井さんは「チビアイがこれまでしてもらってうれしかったことをやればいい」とだけ伝えた。
もともと面倒見の良い福原に、それ以上の言葉は必要なかった。今のチームを見て藤井さんは「思った通り、とても良い雰囲気でやっている」と目を細める。
今回で4度目となる五輪。「やるだけのことはやった」。強い気持ちが結実した。(蕎麦谷里志)