ブレーキもGTIと同等の大径ディスクだから、200馬力超のハイパワーでもガッチリ受け止め、まったく不足を感じない。「止まれる」という安心感が、積極的にスピードを乗せていこうという気分を盛り上げる。
ハンドルを握る両手には、タイヤがどのくらい路面をつかめているかが存分に伝わってきて、元気よく走っている時でも安心感が高い。もっとも、私のような素人ドライバーがちょっと飛ばしたくらいではその限界は窺えず、ポテンシャルの高さはスポーツモデル並みと感じた。ただ、標準装備の17インチタイヤは静粛性と乗り心地は非常に優れているものの、元気よく走るには少し物足りない。スポーティー志向なら、オプションの18インチタイヤに着け替えたい。
アクティブセーフティー(能動的安全)性能については、後編で詳しく触れるが、このクルマとにかく抜かりがない。ドライバーがアクセル、ブレーキ、ハンドルで意思を示せば、クルマは最善の挙動で答えてくれて、危険が回避される(あるいは最小限に抑えられる)。そしてクルマに助けられたと感じたその瞬間、一気に信頼感と愛着が増す。
ハイブリッド化が重量配分に好影響か
試乗車はサスペンションの特性を切り替える「DCC」というオプションが装着されていないモデルだったが、足回りの剛性に不足は感じなかった。その理由はひょっとすると、後部座席下に積まれた大容量バッテリーのおかげかもしれない。
ガソリンエンジンのモデルでは燃料タンクが格納されているこの場所に重たいバッテリーを搭載、燃料タンクは荷室下に移設したことで、前後の重量配分が最適化され、同時に重心が低くなっている。結果、かなりハンドリングのよい素性を持つ構造になったのではないかと思う。