このシートはGTIと共通のタータンチェック柄も特徴のひとつ。イメージカラーが赤のGTIはステッチやチェックのアクセントカラーが赤だが、GTEは青。余談だが、VWの人が「このチェック柄は女性に人気なんですよ」と言っていて、実際女子を乗せたらチェック柄を見た途端に「わぁ」と目が輝いていた(ホントの話です)。
内装の素材として本革が使われているのはハンドルとシフトレバー、シフトブーツの3箇所。あとは軟質樹脂かファブリックと高級感はないが、パーツの継ぎ目の隙間(チリ)が詰められていて凝縮感があり、工作精度の高さを感じさせて満足感が高い。デザインの色気や素材の質感ではなく、機械としての精密さでアピールしている印象だ。なるほど、工業製品の精密感や凝縮感が大好きな日本人が好んで乗っている理由はこのあたりにもありそうだ。
後席の余裕は身長173センチの筆者で膝もとが拳2つ、頭上は1つ半。180センチの車幅のおかげで横方向はゆったりしていてアームレストも大きく、コンパクトカーとしては文句ない広さ。前席下につま先が入るスペースがあり、実際に乗り込むと見た目よりリラックスできる。窓が大きく開放感が高いのもGood。
日本向き? 渋滞するほどありがたみが増す機能
前後ドアは面積も大きく、開口角度も広くとってあって乗り降りしやすい。シートポジションも調整幅が広く、上下前後に位置を動かせるステアリングと相まって、様々な体格のユーザーに合わせることができる。
キーレスエントリーはドアノブタッチ式。目に見えるボタンは設置されておらず、キーを身につけた状態でドアを開けようとして、自然にノブの内側に手をかけるとロック解除される。施錠はノブ外側にタッチ。施錠解錠とサイドミラー格納が連動させられるのが意外に便利。クルマを離れてから「あれ、カギかけたっけ?」と不安になった時、ミラーの状態で施錠済みかどうかわかるので、うっかり施錠忘れ防止に役立つ。
使い勝手で特筆すべきは電磁式パーキングブレーキとブレーキの自動ホールド機能の組み合わせだ。特に渋滞路ではこれがあるとないとでは大違い。渋滞最後尾でブレーキを踏み込むと自動でパーキングブレーキに切り替わってホールドされ、アイドリングストップ。前車が進んだらアクセル一踏みでエンジン再始動&ブレーキ自動解除。そのまま加速態勢に移れる。つまり渋滞で並んでいる間、ブレーキを踏み続ける必要がない。渋滞でブレーキ→停止したら足をペダルから離す→アクセルを踏んで発進という流れ。AT車であっても、なかなか動かない渋滞でブレーキを踏み続けるのは結構足が疲れるものだ。それが、完全停止したらペダルから足を離せるのだから、渋滞すればするほどありがたみが増す機能と言える。もちろん渋滞そのものはちっともありがたくないが。