【試乗インプレ】燃費計測は意外な結果に 30万円値下げは安い?高い? VWゴルフ GTE(後編) (1/5ページ)

  • 奇をてらわずオーソドックスながら、高い質感を持つ内装。ゴルフGTE
  • 志摩の景色、本当に素晴らしかった。駆け足取材ゆえのトンボ帰りが哀しい…ゴルフGTE
  • きめの細かい上質な本革を使ったハンドル。握りが太めでいかにもスポーティー。イメージカラーのブルーのステッチをあしらい、下部にはGTEのエンプレムが。ゴルフGTE
  • 左側がパワーゲージで「10」(100%の意味)を超えた先は「GTEモード」で使われる「エレクトリックブースト」の領域。回生ブレーキが効いている時は針が左側のグリーンのほうに振れる。速度計は右側、回転計はパワーゲージ下部に。ゴルフGTE
  • センタークラスターはカーボン調の模様が入った光沢仕上げ。インフォテインメント画面と空調のダイヤル類はドライバー側を向いている。ゴルフGTE
  • 電気走行関連の画面の一例。走りながらバッテリーを充電するモードも選べる(右下)。ゴルフGTE
  • 空調ダイヤル下の小物入れ。携帯電話や小銭入れに丁度良いサイズ。インフォテインメントシステムに直結するUSB、外部音声入力を各一個装備。ゴルフGTE
  • アルミと本革で仕立てられたシフトレバー。ひんやりした触感がいい。「D」レンジから手前に引くと回生ブレーキが強めに効く「B」レンジ、左へ倒すとマニュアル変速に切り替わる。ゴルフGTE
  • シフトレバー左側に「GTE」「E」各モードの切り替えスイッチ。運転中はシフトレバーの影に隠れて見づらい位置なのが残念。ゴルフGTE
  • カップホルダーはシャッター付き。左側には電磁パーキングブレーキのスイッチとブレーキのオートホールドスイッチ。この機能が渋滞路を快適にする。ゴルフGTE
  • 前席ドア側の空調吹き出し口。ゴルフGTE
  • オートライト機能付スイッチは手前に引くとリアフォグランプが点灯。ゴルフGTE
  • ドアミラーのコントロールレバー。デフォッガー機能付き。ゴルフGTE
  • アルミ製ペダル。右側にもフットレストがあり、クルーズコントロール使用時に右足を置けるのが嬉しい。ゴルフGTE
  • ハンドル太いですねぇ。ゴルフGTE
  • ゴルフGTE
  • レカロ風バケットシート。座り心地よく、サポートバッチリで疲れ知らず。GTIと共通のブルーのアクセントが効いたタータンチェック柄は女子受け抜群(実体験です)。ゴルフGTE
  • 後席も同柄。アームレストが広めでくつろげる。ゴルフGTE
  • 後席の空調吹き出し口。ゴルフGTE
  • 後席ドアも前席と同じ仕立てで質感高め。ゴルフGTE
  • バックドアのエンブレムはドアノブも兼ねている。「そうくるかぁ」というギミック。ゴルフGTE
  • 後席は右6:左4の分割可倒式。完全にフラットにはならないが、段差がないので使い易い。ゴルフGTE
  • 床下収納がないので、ジャッキや充電用ケーブルなどの付属品はケースに入れられている(上)。カーペットをめくると40リットルの燃料タンクが(下)。バッテリーは後席下に搭載されている。ゴルフGTE
  • バックドアのエンブレムにはもう一つ仕掛けが。リアカメラはここに搭載。シフトを「R」に入れると、カパッと開いて現れる。筆者の汚い膝小僧が写り込んでいますが、ご容赦を。ゴルフGTE
  • 志摩の多島美をバックに。ゴルフGTE
  • ボンネット内のハイブリッドシステム。奥の黒いのが1.4リッターターボエンジン、手前の銀色部分がモーター。パッツンパッツンです。ゴルフGTE
  • パッと見はガソリンモデルと変わらないが、よく見ると…ゴルフGTE
  • グリルからヘッドライトカバーを貫くブルーのラインと向かって左側にブルーの「GTE」バッヂ、バンパー埋め込みのC型ポジションランプは専用装備。フロントのコンビランプがフルLEDなのもゴルフ初。ゴルフGTE
  • ゴルフGTE
  • ハッチバックというジャンルを確立した初代から変わらぬ、太い「く」の字型Cピラー。ゴルフGTE
  • 開口部を全開にすると、ボディーの他の箇所と比べていかにCピラーが太いかがよくわかる。ゴルフGTE
  • ゴテゴテした余計なラインのないクリーンな造形。人によってはつまらないと感じる?ゴルフGTE
  • 右側のリアコンビランプにはひときわ明るく光るリアフォグランプも内蔵。ゴルフGTE
  • C型ポジションランプに囲まれるように2本のフィンが。ちょっとGTIっぽい造形。ゴルフGTE
  • フロントフェンダーにはブルーのエンブレム。GTIはここが赤い。ゴルフGTE
  • ターンシグナル内蔵の自動格納機能付きサイドミラー。ゴルフGTE
  • キーを携帯して外側に触れると施錠、内側に触れると解錠するドアノブ。実はキーの電池切れに備えた鍵穴も隠されている。ゴルフGTE
  • リアコンビランプもフルLED。GTIやRと同じデザイン。いま流行りの導光式LEDではないが、これはこれでカッコイイ。ゴルフGTE
  • マフラーは左2本出し。ゴルフGTE
  • 小振りなシャークフィンアンテナ。ボディー同色でないのが残念。ゴルフGTE
  • タイヤサイズは前後とも225/45R17。大径ディスクブレーキに青く塗られたキャリパーが映える。ゴルフGTE
  • ゴルフGTE
  • 同様のプレスラインが前後ドアをも一直線に貫き、直線基調の造形を強調。ゴルフGTE
  • ゴルフGTE
  • 隙間なく詰め込まれたハイブリッドシステム。あれ?フロントエンブレムが…ゴルフGTE
  • パカッと開いて…ゴルフGTE
  • 中から充電用端子が。そう言えばプラグインハイブリッドでしたね。ゴルフGTE


 フォルクスワーゲン初のハイブリッド、ゴルフGTE。前回はその走りにフォーカス、ほぼ絶賛という結果になったが、肝心の燃費性能は、そしてベースモデルより200万円以上高い価格の妥当性はあるのだろうか。内外装・使い勝手のインプレッションとともに考察してみる。(文・写真 Web編集室 小島純一)

 無難で退屈? いや意外とシャープなエバーグリーン

 外観のシルエットはガソリン仕様のモデルと変わらない。低くて幅広でありながら、4メートルちょいと短い全長で、オーソドックスなハッチバックスタイルだ。直線基調でデザインされたボディーは、無駄を削ぎ落としたクリーンな印象。実用性を重視した水平基調の横顔は、後部窓でも開口部が大きく、後席の開放感につながっている。

 冒険していない無難で退屈なデザインと受け止めることもできるが、歴代のゴルフ同様、長く乗っても飽きない古くなりにくい形をしていると思う。

 それでいながらどことなく内に秘めたシャープさをも感じさせるのは、くっきりと浮かび上がったボンネットと前後ドアに施されたプレスラインが効いているのだろう。

 GTE専用のディテールは、フロントグリルからヘッドランプの中にまで伸びるブルーのライン、フルLEDのヘッドランプ&ウインカー、バンパーに埋め込まれたC型LEDポジションランプ、そしてボディーの前後左右4カ所に誇らしく輝くGTEエンブレムと、先進的な中身を持つモデルとしては主張が最小限に留められている。大衆車=フォルクスワーゲンらしく、見た目よりも中身で勝負ということかもしれない。

 精密感、凝縮感がじわじわ来るインテリア

 外観から感じたクリーンな印象はキャビンのデザインにも共通している。ごく常識的なレイアウトで、初めて乗る人でも操作方法に迷うことが少ないだろう。

 インフォテインメントシステムはタッチパネル式で、インパネ中段の配置。画面は最上段に配置してセンタークラスターのコントローラーで操作…というのが最近のトレンドだが、タッチパネルに手が届きやすくするためにはこの位置が最適、という判断と思われる。

 スマートフォンやタブレットの普及でタッチ式インタフェースは一般化しているので、多くのユーザーが直感的に操作できるという利点がある。しかし走行中の揺れで適切なタッチが難しい場合もあるうえ、中段配置の画面はフロントウインドウからの視点移動も大きくなり、安全性にはやや難がある。

 前席のレカロ風バケットシートは布張りで肉厚たっぷり。やや硬めの座り心地ながら、一旦体を沈めるとよくフィットして荷重を分散させるようで、長距離運転でも足腰に負担が少ない。2時間以上連続で運転しても体が楽だった。脇と腿のサポートも適切で、ワインディングでも安定した姿勢を保てる。

日本向き? 渋滞するほどありがたみが増す機能