【試乗インプレ】街を「小さく走る」ためのRR ルノー・トゥインゴ(前編) (4/5ページ)

  • 神戸ポートアイランドから、エッフェル塔…ならぬポートタワー、メリケンパークを臨む。ルノー・トゥインゴ
  • 試乗車はキャンパストップ仕様。フィアット500など、ラテン系小型車お約束の装備だ。ルノー・トゥインゴ
  • ボディーと同色のアクセントカラーがポップ。樹脂素材であることを逆手にとった小型車らしい演出。ルノー・トゥインゴ
  • 荷室のカーペットを持ち上げると、エンジンを密閉する鉄板が現れる。ルノー・トゥインゴ
  • 明確に“顔”としてデザインされている。個人的には「レレレのおじさん」に似ていると思うのだが…いや褒めてるんですよ!ルノー・トゥインゴ
  • 前後フェンダーやリアまわりのふくらみに、規格で縛られた軽自動車とは一線を画すサイズの余裕が窺える。ルノー・トゥインゴ
  • 寝かされたリアハッチに大きめのアルミホイール。横顔はなかなかスポーティーだ。ルノー・トゥインゴ
  • 全面ガラスでブラックアウトされたリアハッチが精悍さを醸し出す。ルノー・トゥインゴ
  • 真後ろからの眺めは、往年の名車ルノー・5(サンク)を彷彿させる。ルノー・トゥインゴ
  • タイヤサイズは前が165/65R15。後ろは少し太くて…ルノー・トゥインゴ
  • 185/60R15にドラムブレーキの組み合わせ。ルノー・トゥインゴ
  • フロア・着座位置が高めで、開口部も広く乗り込みやすい前席。ルノー・トゥインゴ
  • 後席は2人用。横幅は十分だが、前後方向の余裕はいまひとつ。フロアに対して座面が低めで、大人だと腿が浮いてしまう。ルノー・トゥインゴ
  • 荷室はまずまずの広さ。リアハッチが寝ていることもあり、高さ方向はやや厳しい。出っ張りがなく積み込みやすいのは美点。ルノー・トゥインゴ
  • 神戸ポートアイランドから、エッフェル塔…ならぬポートタワー、メリケンパークを臨む。ルノー・トゥインゴ


 実際に歩道上で転回しないと後ろ向きに停められない駐車場に停めてみたところ、なんとハンドルを1回切っただけで車体が見事に後ろ向きに! この駐車場、取材の際にはほぼ毎回利用しているのだが、今までもっとも車庫入れが楽だった軽オープンのダイハツ・コペンよりさらに楽ちんだった。やや大げさに言えば、自転車や原付のように街中を乗り回せる感じ。う~む、RR侮れじ。これはいいぞ。

 高速道路ではゆったりエコランが吉

 大阪市内から阪神高速で一路、神戸へ。制限速度上限での巡行は力不足を感じないし、直進安定性も十分あって、安心して流れに乗ることができる。ミッションが6段までありエンジンが低回転を保つから、うるさく感じるようなこともなく、車内での会話も普通の音量でOK。まずまず快適と言える。

 ただ、やはり追い越し時の中間加速は高回転域でのパワーの伸びに乏しく、物足りなく感じる。街乗りに最適化した出力特性だから、高速ではむしろ6速を生かしてエコランする方向に気持ちを切り替えるのがいいかもしれない。

 ワインディングで乱れぬ挙動 潜在力高し

 ポートアイランドで撮影を済ませたあと、お馴染みのワイディングロード、芦有ドライブウェイへ。ここでEDCのマニュアルモードと、ハンドリングを試してみた。

 シフトレバーを左に倒すと、前後のアクションでマニュアルシフト操作が可能になる。革巻きシフトノブの触感はなかなかだが、レバーを動かした時の手ごたえはクリック感に乏しく質感は高くない。このあたりは価格なりといったところか。

 高回転ではあまり伸びないので、出力のおいしいところをキープすべく、こまめにシフトを変えながら走ってみると、これがなかなか楽しい。決して速いわけではないけれど、クルマと対話しながら走る感覚が心地いいのだ。EDCならではの楽しさと言える。

 RRということで、後ろが重くなる重量バランスから派手にオーバーステアが出るのではないかという懸念もあったが、ハンドリングも思いのほか素直で、危なっかしい挙動はまったくなし。これなら峠道をそこそこ飛ばして走っても怖くない。

設計上の要素が絶妙にマッチ ポテンシャル高く、今後のスポーツ仕様に期待