さて、エンジンをかけてみよう。お台場の駐車場を撮影に使用できるということだったので、カメラマンの瀧さんとレインボーブリッジ方面を目指して、東京タワーの隣にある芝公園を出発した。
まずはアクセルとブレーキを踏んだ感触だが、走り出しはとても滑らかで、もたつく感じは全くない。ドライバーが予測した力加減でイメージ通りに加速するし、減速もまた然り。2年前に試乗したルノーの「メガーヌ ハッチバックGTライン」や「メガーヌR.S.」は、こちらがクルマに慣れるまで加速・減速時の感覚に多少のズレがあったが、ルーテシアにはそのような違和感は最初からなかった。デュアルクラッチを採用したトランスミッションもとても滑らかだ。
運転が楽しくなるクルマ
高速道に合流する。芝公園-台場間は距離が短いこともあってバンバンとスピードを上げる場面はなかったが、トルクの太さやパワーの余裕は伝わってきた。足回りはやや硬い味付け。運転していて楽しく頼もしいソリッド感があるが、かといって硬すぎもしないので乗り心地は損なわれていない。道路の凹凸や継ぎ目は気持ちがいいほど上手に捌いていく。このしなやかさを出すバランスの取り方は実に絶妙だと感じた。運転していてとても清々しい。
シートは想像していたよりもコシがあり、上半身や太ももをしっかりとサポートしてくれる。体にぴたりとフィットする形状なので運転に集中しやすく、ロングドライブでも疲れにくそうだ。ハンドリングはかなり切れがある。狙ったラインをぴたりとトレースしてくれるので、クルマを意のままに操っている感覚に溢れ、運転していて安心感がある。試乗を通してドライバーとクルマに強い一体感を覚えたのはルーテシアの大きな魅力の一つだ。昔イギリスで乗った「ルノー19」や「プジョー406」、スペインでレンタカーした「シトロエンC5」はもっとふわふわとした軟らかい印象を受けたが、フランス車もだんだんと性格や味付けが変わってきているのかもしれない。