《中国の海軍艦艇建造》は警告する。
《2030年までに、ハードウエア面で米海軍と数だけでなく、恐らくは質も肩を並べる》
《2020年までに、米海軍の対艦巡航ミサイルの射程以上のミサイルを大量保有する》
《2030年までに、『近海』で起きている他国との係争海域で、米海軍の作戦行動に果敢に対抗する大きな能力を保有する》
かくして《2020年までに、人民解放軍海軍は世界第2位の海軍となる》。当然、『近海』には尖閣諸島が連なる東シナ海や先述した黄海、人工礁を造成し軍事基地化に邁進する南シナ海が含まれる。
打開策はある。ジョン・ボルトン元国連大使が今年1月、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)に寄稿した戦略にも、傾聴に値する部分があった。《米軍の台湾駐留》である。要約すると、次のような戦略であった。
《台湾への米軍駐留や軍事装備の輸出拡大で、米国は東アジアの軍事態勢を強化できる》
台湾駐留米軍は在沖縄米軍の一部を割く構図を描いているが、具体的な兵力規模には触れていない。ただ、米軍駐留の戦略効果は絶大だ。