【木下隆之のクルマ三昧】知られざる「自動車運搬船」ルポ プロの技に驚嘆だけど… (3/4ページ)

  • ヘラクレスリーダーと木下さん
  • 船積みを待つ車
  • ヘラクレスリーダーの船内
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 感心したのは、船積み前に一台一台スチーム洗車をしていることだ。船積みは港だから塩害も予想される。道中は3カ月にも及ぶ長旅だ。腐食を避けるために、真水で洗車してから積み込むという気遣いである。日本車の品質の高さに貢献しているのだろうと想像した。

 そう、そこで思ったのは、これは近い将来自動化が進む分野であろうという予測である。船積みのクルーの運転技能は驚くほど優れている。

 だが、自動運転の精度が上がれば、その仕事は人間ではなく機械が代用することになるのだろう。基本的には決められたルートを定められたパターンで繰り返されるわけだから、自動運転にプログラミングさせるのはそれほど困難ではないだろう。往来の複雑な公道よりも、港ははるかに安全な場所だからである。

◆帰りはなんと「空荷」

 ちなみに、船積み船が横付けされているポートは、すでに海外であり、取材にあって厳しい事前申請が必要だった。さすがにパスポートの携行は課せられなかったが、そこはまごうかたなき外国なのだ。東京湾だというのに、フェンスの内側はすでにトランプの待つアメリカなのである。

 「帰りはアメリカ車を積んで帰港すれば無駄がありませんよね」

 そう質問すると答えはノーだった。

 「帰りは空荷です。軽くなると船としてのバランスが悪いので、船底にバラスト用の水を積んで航海するのです」

貿易摩擦の象徴のような気も