【木下隆之のクルマ三昧】実は自動車開発の王道? ジムニーが「サイ」にこだわるわけ (2/3ページ)

  • ジムニー
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  • ジムニー(カタログから)
  • サイとジムニーの“生息地”はまさに一致!
  • サイとジムニーの“生息地”はまさに一致!


 ジムニーのイメージキャラクターは「サイ」だ。温暖な地域に生息する、あの動物園で人気のサイである。1981年に2代目(SJ30系)がデビューした当時、ジムニーをイメージしやすいキャラクターとして採用したのである。

 鎧のような皮膚は肉食獣の牙や爪を通さず、ノシノシと歩む姿がイメージとしてかぶる。泥浴を好むというから、まさに泥濘地を突き進むジムニーの“生息地”と一致する。

◆フォードやフェラーリも

 いやはや、実はこういった動物をキャラクターに据えては開発する手法は、けして少なくない。クルマのコンセプトを乱さないための開発手法として活用されているのだ。数百人の開発メンバーの意識を束ねるには、誰もが共感する象徴が必要だ。それが動物になる例が多い。

 フィアット・アバルトは「サソリ」をイメージキャラクターに据えている。クライスラー・バイパーは「毒ヘビ」。フォードは「馬」。フェラーリが「跳ね馬」なのはあまりにも有名である。これがたんなる販売戦略上のテクニックではなく、筋の通ったシステムとして有効なのだと開発陣は口にする。

「●●●●●が乱れない」