カローラスポーツはTNGAを基幹とした新プラットフォームを採用しており、上からかぶせたボディの剛性も非常に高いことに驚かされた。高速走行時は力強く突き進むソリッド感があり、強靭な塊に包まれているという安心感をもたらす。風切り音もほとんどカットするなど快適性も高いレベルにある。
個人的に最も印象的だったのはコーナリング時の素直なライントレース性と車体の安定感だった。ドライバーのハンドル操作と実際の曲がり具合が絶妙にシンクロしており、走行中のストレスをほとんど感じないどころか、操作する気持ちよさがじわじわと手足から沁み込んできた。速度を上げても車体をぐらつかせることなく、涼しい顔で理想通りのラインを一筆書きするように描くのだから恐れ入った。脚をよく使うタイプの車で、段差を越えたときの処理能力も秀逸だ。とにかく操作性、安定感、剛性の高さなど全体的な「走りの質の高さ」に驚かされた。カローラスポーツの開発責任者であるトヨタ自動車の小西良樹氏が、「ゴルフ、シビック、アクセラといった(他社の)良いクルマを勉強しながらクルマづくりをした」と、いずれも好評を博す人気ハッチバックを参考にしたと語ったのも頷ける(2018年8月29日付フジサンケイビジネスアイのインタビューより)。
1.2Lターボエンジンは決して瞬間的な加速の鋭さがあるわけではないが、ラグの後にひとたびスイッチが入れば6000回転まで滑らかに吹け上がる。もしダイレクト感のあるMTが希望であれば、変速・発進をスムースにする新開発のiMTという選択肢もある。操舵フィールやレスポンスなど走り味にもう少し「スポーツっぽさ」があってもいいのでは、と感じたのも事実だが、存在感がグイグイと薄まっているMTなら、さらに操る楽しさに浸ることができそうだ。
万人受けしそうなデザイン
シンプルにまとめ上げた内装の質感の高さは、トヨタ車ならでは。スイッチ類の感触や節度感の良さ、樹脂材料やソフトパッドの組み合わせ方や配置などインテリアを細部まで丁寧に作り込み、プラスアルファの高級感を吹き込む技術(と豊富な資金力)は他メーカーをはるかに凌ぐ。