リニア新幹線、厳しい大阪同時開業 政府とJR東海が及び腰
平成39年に開業予定のリニア中央新幹線(写真は試験走行するリニアモーターカー)
政府が24日に閣議決定した新たな成長戦略にあたる「日本再興戦略改訂版」では、リニア中央整備新幹線の早期整備の方針が盛り込まれたが、自民党や関西経済界が求めていた平成39年の東京-名古屋と名古屋-大阪の同時開業についての具体的な記述は見送られた。
政府は同時開業に向けた国による財政支援に難色を示し、事業主体であるJR東海も国の財政支援策が示されないままの計画変更に慎重な姿勢を崩しておらず、同時開業は厳しい状況だ。
政府が早期整備への意欲を鮮明にしたことで、「前進」(関西選出の自民党議員)と一定の評価をする向きもあるが、大阪延伸が前倒しになる保証はない。
JR東海は国から資金援助を受けず、9兆円の建設費を民間企業1社で「全額自己負担する」(葛西敬之名誉会長)計画だ。
財務負担のふくらむ大阪までの同時開業を避け、名古屋開業後の大阪延伸という「2段階方式」を採用。あくまで健全経営を確保しながら事業を進める方針で、「具体的支援策が提示された段階で初めて(大阪延伸の前倒しを)検討できる」(柘植康英社長)との立場を取る。国の支援を受けることにより、「ルート決定や新駅設置などで政治介入を許す」(関係者)との疑念もくすぶる。
名古屋-大阪間の建設費は約3兆6千億円。自民党の特別委員会は元金はJR東海が返済、利子を国が負担する案を示していた。しかし、政府は「無理やり『政府の金を使え』とはいえない」(甘利明経済再生担当相)とし、苦しい財政事情の中、支援には及び腰だ。
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