リニア中央新幹線、今秋着工“お墨付き” 国交相、計画抜本見直し求めず

 
実験線を試験走行する新型リニア=山梨リニア実験センター(植村光貴撮影)

 太田昭宏国土交通相は18日、JR東海が2027年に東京(品川)-名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線の環境影響評価(アセスメント)に対する意見書を同社に伝えた。

 「事業の実施に当たっては、環境保全に十分な配慮が必要」とし、トンネルなどの掘削で発生する多量の残土の有効利用など8項目の措置を要請した。計画の抜本的見直しは求めておらず、同社が目指す今秋の着工に事実上、お墨付きを与えた形だ。

 JR東海は4月に品川-名古屋間の環境影響評価書をまとめ、6月には石原伸晃環境相が「事業規模の大きさから相当な環境負荷が生じる」とした意見書を太田国交相に提出。同社は今回の太田国交相の意見書を踏まえて評価書を補正するなどした上で、今後は工事実施計画を国交省に申請し、認可が得られれば今秋に着工する見通しだ。

 JR東海は18日、「いただいた意見一つ一つについてしっかりと検討を行い、その上でできる限り早く最終的な評価書に仕上げていきたい」とコメントした。

 太田国交相の意見書は、石原環境相が6月の意見書で示した環境面での措置を講じることを求めた。

 その上で、建設にあたっては地域住民への丁寧な説明が必要としたほか、水道や農業などで使われる河川への影響を回避することや、工事で発生する残土を他の公共事業や民間事業で有効利用することなども促した。

 太田国交相は同日の会見で「JR東海が意見書の措置を適切に講じるよう指導したい」などと述べた。

 リニア中央新幹線は最高時速約500キロで、品川-名古屋間を40分で結ぶ。建設・営業主体のJR東海は現状、品川-名古屋間を27年に、名古屋-大阪間を45年に開業する「2段階」計画で、全額自己負担で建設するとしている。