GDP600兆円目標 首相「アベノミクス第2ステージ」
自民党は24日の両院議員総会で安倍晋三首相(党総裁)が8日告示の党総裁選で無投票再選されたことを正式に承認した。首相は同日、党本部で記者会見し「これからも経済最優先で『1億総活躍社会』を目指す」と強調。国内総生産(GDP)を600兆円に引き上げ、50年後も1億人の人口を維持する目標を掲げた。政権の骨格は維持するが、首相は10月5日にも内閣改造・党役員人事を断行する。
首相は会見で、経済政策「アベノミクス」の成功によって「この3年間で日本を覆っていた暗く重い沈滞した空気は一掃できた。もはやデフレでないという状態まで来た」と指摘。今後を「アベノミクスの第2ステージ」と位置付け、昨年度は名目490兆円だったGDPを600兆円にすることを目標に据えた。
首相はさらに「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」を、今後の政権運営で重視する「新しい三本の矢」と強調。「介護離職ゼロ」の実現を目指した介護施設の充実や、希望出生率を現在の1.4程度から1.8に高める方針を示した。
首相は24日の党総務会などで党役員人事の一任を取り付けた。首相は26日に国連総会出席のため米国へ出発し、来月2日に帰国する予定。人事は5、6日頃になるとみられる。
首相は人事について「大きな骨格は維持する」と強調。党では谷垣禎一幹事長、内閣では菅義偉(すが・よしひで)官房長官や麻生太郎財務相、岸田文雄外相らを続投させる方針。党内全7派閥から再選支持を受けたこともあり、閣僚の半数程度は交代させる。
首相の党総裁任期は2018年9月までの3年間。
■「アベノミクス第2ステージ」に対する識者の見方
◆熊谷亮丸・大和総研チーフエコノミスト
アベノミクス「第4の矢」として分配政策に踏み込むときだ。国民が安心して消費をできるようにするため、低所得者や年金生活者への給付金などの施策が望まれる
◆田中賢治・日本政策投資銀行経済調査室長
新しい産業を興すための環境を整える必要がある。高齢化が進む中、ロボットを活用した課題解決型サービスなどで医療・介護分野にビジネスチャンスがある
◆城田修司・HSBC証券マクロ経済戦略部長
国内総生産(GDP)600兆円の目標を掲げることで、成長のロードマップを分かりやすく示せる。潜在成長率を高めるため労働力を確保する施策が求められる
◆牧田健・日本総研マクロ経済研究センター所長 国内の投資を促すための「ネタ」を仕込む必要がある。医療や農業分野の規制改革を進めるとともに、成長分野に転職しやすくする仕組みも導入すべきだ
◆小幡績・慶応大大学院准教授
アベノミクスを成功させるには、数量よりも質にこだわるべきだ。GDP600兆円の目標設定は妥当ではない
関連記事