文科省の“文系廃止”通知は「32点ぐらい」 馳文科相が辛口採点
馳浩文部科学相=7日午後、首相官邸(福島範和撮影)
馳浩文部科学相は9日の閣議後会見で、文科省が6月に各国立大学の教員養成系や人文社会科学系の学部の改組を進めるよう求めた通知を出したことについて、「あの文章では32点ぐらいしかあげられない」と述べ、元国語教師だった馳氏ならではの“辛口採点”をつけた。
文系軽視になっていると波紋を広げている今回の通知については「誤解を与えたことは申し訳ないが、内容は撤回しない」とし、今後も趣旨を説明する姿勢を示した。
文科省が出した通知では、教員養成系と人文社会科学系の学部・大学院について、「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする」と明記。
これまでの文科省と大学側との協議で、廃止対象は教員免許取得を卒業条件としない、いわゆる「ゼロ免課程」で一致していたが、通知では、その前提部分を省略したため、人文社会系学部・大学院までが廃止対象に含まれるように解釈され、大学側から反発の声が上がっていた。
馳氏はこの日の会見で、「私も国会議員を20年やってきて、行政通知文書の分かりづらさに、何度も何度も読み直すことがあった」と述べ、行政文書の難解さを批判。今回の文科省通知については「今後は受け取る人の立場に立って書いた方が分かりやすい」とし、通知作成に携わる文科官僚に反省を促した。
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