銀座の商業地が最高値更新 リーマン・ショック前の水準超える マイナス金利が影響
公示地価
訪日外国人客効果もあり地価の最高地点となった東京・銀座の山野楽器銀座本店=東京都中央区(大西正純撮影)
全国トップの1平方メートル当たり4010万円(18・6%上昇)だった東京都中央区銀座の「山野楽器銀座本店」は、リーマン・ショック前の平成20年に記録した過去最高額を更新した。東京都区部と大阪市、名古屋市では、商業地の最高価格が前年を上回った。
銀座では訪日外国人の急増に伴い店舗収益が向上。周辺の再開発もあって、需要増による賃料の上昇傾向が続いている。山野楽器銀座本店は14年に調査対象となり、20年に3900万円を記録した後は下落傾向が続いていたが、26年から上昇に転じていた。
加えて、上昇基調となった背景の一つに“出物不足”がある。不動産サービス会社のジョーンズラングラサール(JLL)によると、27年の国内の商業用不動産の投資額は、大型取引案件の減少が響いて前年比12%減。「物件の取得環境が厳しさを増している」(国土交通省)ことで、好立地物件では相場価格以上の取引が目立つ。
今後の動向については、2月16日に導入された日銀のマイナス金利政策の押し上げ効果もささやかれる。もともと金融緩和は資産運用を低金利の国債から不動産にシフトさせる効果があるが、マイナス金利でこの傾向が強まるとされる。不動産経済研究所は「とりわけ地方銀行が投融資先に不動産投資信託(Jリート)を据えている」と資金流入の加速を予想する。
一方、政策効果に疑問符をつける意見もある。ラサール不動産投資顧問の高野靖央ストラテジストは「金利低下は中長期的な銀行の業績に影響があるほか、マイナス金利をやめる場合の市場の動揺を見極める必要がある」と指摘。その上で「投資資金は増やせても、取得価格の設定で強気になれないのではないか」と投資家心理を代弁している。
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