新幹線効果で明暗 10%超の上昇目立つ金沢 函館は…

公示地価
北陸新幹線効果で地価上昇が目立った金沢市=(納冨康撮影)

 国土交通省が発表した公示地価では、北陸新幹線開業から1年を迎えた金沢市はオフィス需要の高まりなどで商業地が大幅に上昇した。一方で、北海道新幹線の開業を控えた北海道函館市は、下げ幅こそ縮小したもののプラスには転じていない。首都圏と地方を結ぶ“新幹線効果”にも、利便性による格差が生じている。(山沢義徳)

 オフィス仲介大手の三幸エステートの担当者は「金沢駅周辺は空き室がほとんどない状況」と話す。北陸3県での市場開拓を目指す企業の拠点開設や施設の拡張が目立ち、賃料も上昇が続いているという。

 観光客の増加により、飲食店やホテル向けの用地需要も強い。金沢市内の繁華街、片町周辺などでは商業施設のオープンが相次ぐ。金沢駅周辺や繁華街では10%を超える上昇率が目立った。同市の商業地は5・4%上昇した。

 北陸新幹線の開業で東京から金沢への最短所要時間は80分以上縮まり、2時間半を切った。このため山中温泉や朝市で有名な輪島市などの観光地5地点でも初めて上昇を記録するなど、新幹線効果は石川県内に広がっている。

 一方、26日に開業する北海道新幹線では、新函館北斗(北斗市)まで最短で4時間2分かかる。空路より新幹線が優位に立つ分岐点とされる“4時間の壁”を破るには至らず、新幹線の開通効果は限られる。

 ただ函館市でも、人気観光スポットのベイエリアを中心にホテルの新設や改装が相次いでいる。函館空港に中国・台湾便が就航し、訪日観光客の増加で宿泊需要が高まったためだ。

 新幹線の開業効果を視野に、昨年は5千人収容の函館アリーナが完成し、函館駅前では再開発が進む。それでも商業地の地価変動率はマイナス0・6%と、下げ幅が0・6ポイント縮小するにとどまった。新幹線開業への期待は大きい半面、「『様子見ムード』も根強い」(地元不動産業者)のが実情だ。