改憲めぐる自共ガチンコ対決の行方は…
NHK党首級討論詳報(4)=詳報(3)から続く
--志位さんは
志位氏「安倍首相自身が『憲法を改正していく』と、『自民党は憲法改正草案を決めていく』と明言しているわけですから、私は今度の参院選で、まさに自民党改憲案の是非が争点になると思います。自民党改憲案は、憲法9条2項を全面的に削除して、ここに『国防軍』を書き込む。そして、海外での武力行使を制限なくやれるようにする。あるいは緊急事態条項を創設して、事実上の戒厳令に道を開く。そういう重大な中身が入っていますけどね、さらに言いますとね、憲法が憲法でなくなるような極めて重大な内容です。すなわち、憲法というのは、憲法によって権力を縛るというものなんですが、憲法によって国民を縛ると。つまり、公益、公の秩序のためには基本的人権を制約できるという内容が入っている。こうなると、立憲主義の全面破壊なんですよ。ですから、立憲主義の全面破壊に進んでいいのか、自民党の改憲案、安倍改憲、許していいのか、それとも安保法制、戦争法を廃止するのか、これは大争点になると思います」
--自民党の改正草案が国民の判断の対象になるという指摘については
高村氏「それも一つの判断の対象にはなると思いますよ。だけど、それを、われわれは全体的なものを決めていますけれども、それをいっぺんに出して、そんなものが通るなんて、未来永劫通るなんてことは思ってないですよ。ひとつひとつ国民の理解が得らえるものからやっていくということです。それからなんですか? 公の秩序? 私も正確な(文言は記憶していないが)、その言葉は今の憲法の『公共の福祉』という言葉を置き換えただけです」
志位氏「それは全く違います」
高村氏「置き換えただけです」
志位氏「それは違う!」
高村氏「公共の福祉が制約要因にしてる、そのことは分かりにくいから、それを置き換えただけです」
志位氏「それは違う!」
--志位さん、ちょっと待って! 他の党にも聞きましょう
吉田氏「安倍首相は任期中に憲法改正やりたいと言った。ぜひ、争点隠しをせずに正面から訴えていただきたい。いま必要なことは憲法の理念が生かされてない。それを生かすことが一番大事だ。変えることではない」
山本氏「この3年間の安倍政権を振り返ってみたら、憲法に基づいた政治運営がされていたかと。弱い者から切り捨てるような政治が行われていた。そのような者たちに憲法を変える権利はない」
中山氏「憲法はその国の基本を定める法律ですから、日本の国柄、日本の心がこもった条文で憲法は成り立っていないといけないということで、私どもは自主憲法を作成中です」
荒井氏「議論はおおいにするべきだと思う。そして、国民の皆さんにも、同時に、十分考えていただきたい。しかし、自衛隊を海外に出すということを国会の歯止めをかけて落ち着くまでは、落ち着くまでは、時期尚早!」
--志位さん、ひとこと
志位氏「(高村氏は)『公共の福祉を言い換えたものだ』とおっしゃいましたけど、公共の福祉というのは、いろいろな人権がぶつかり合ったとき、それを調整する概念なんですよ。あなた方が出している公益および公の秩序っていうのは、それとは別に、上から国家目的のために人権を縛るってもので、全く違う。立憲主義の破壊です」
高村氏「それは全く違います。全く違います。公益っていうのは、まさに、それぞれの人権の衝突を…」
志位氏「それは公共の福祉っていう概念」
高村氏「公共の福祉なんて言葉は分かりにくいですよ。今までの日本語からいってね」
志位氏「いやいや。人権がぶつかり合ったときに調整するという概念で」
高村氏「われわれの概念も同じです」
志位氏「違います」
=詳報(5)に続く
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