口先介入効果切れ…円高再燃 東京一時107円 市場、力不足見透かす

 
1ドル=107円台をつけた円相場を示すモニター=11日午前、東京・東新橋

 週明け11日の東京外国為替市場では、前週末に一服していた円高の流れが再燃し、円相場は一時1ドル=107円63銭と、前週末夕方と比べて1円40銭程度円高ドル安が進んだ。7日のニューヨーク市場でつけた直近高値の1ドル=107円67銭を超え、約1年5カ月ぶりの円高ドル安水準となった。米国の追加利上げが緩やかに進むとの見方が根強いことなどから、円買いドル売りが優勢となった。

 円高を嫌気して11日の東京株式市場で日経平均株価は3営業日ぶりに反落し、終値は前週末比70円39銭安の1万5751円13銭だった。下げ幅は一時300円に迫ったが、午後に入ると下げ幅を徐々に縮めた。

 8日は、麻生太郎財務相の円高牽制(けんせい)発言をきっかけに一方的な円高の流れにひとまず歯止めがかかった。早くも円高が再燃した背景には、米国の金融政策のスタンスがある。8日も米ニューヨーク連銀のダドリー総裁が追加利上げに関して「慎重で段階的なアプローチが適切」と述べ、米国は利上げを急がないとの観測が改めて強まった。

 市場は日本当局の「口先介入」を、「ある程度の時間稼ぎにはなるが、本格的に円安方向への効果を生み出すには力不足」(三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジスト)の“対症療法”と受け止めたようだ。

 14、15日に米ワシントンで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議や、日本が議長国を務める5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控える中では、政府・日銀が実際に円売り介入に動くのは難しいと見透かされており、投機筋が円買いに動きやすい。

 当面、円相場を動かしそうなイベントは、米ワシントンでのG20と、主要産油国が増産凍結に向けて17日にカタールで開く会合。産油国会合が、増産凍結へ踏み出せれば円売り要因となる。

 半面、何も合意できなければ原油先物価格が反落して投資家のリスク回避姿勢が強まり、「1ドル=105円台の水準が試されかねない」(シティグループ証券の高島修チーフFXストラテジスト)との見方がある。